BLOG ヒラノの考えごと

今日は少しまじめに。2017/03/21

なんでこんなカナシイことがおこる…。

暗くて重い内容だけど、親子や夫婦が介護を通すことで予想しない流れに辿り着いてしまうことがある。

それも現実。

誰もが他人事ではないからこそ、そうならないために知っておくことは大切だと思います。

”娘殺害容疑で61歳母親逮捕 「介護に悩んでいた」
20日、福岡県北九州市で、36歳の娘の首を絞めて殺害したとして、61歳の母親が逮捕されました。母親は、「娘の介護に悩んでいた」と話しているということです。”

そんな内容だった。

 

これまで知的障がい・身体障がいのある子どもさんを、大切に大切に育てている親御さんとたくさん話しをしてきた。

 

しっかり受け止めて、前向きに明るく生活している人たちもいっぱいいる。

その気丈に振る舞う人たちでさえも、共通して心配していたことがあった。

 

それは

自分が年をとっても、子どもはまだ若い。

自分がみることができなくなったら…

先に死んでしまったら…

誰がみてくれるだろう。

施設にちゃんと入れるだろうか。

先を考えると不安や心配があると話していた。

また、

自分が年老いていく過程で、我が子は若者になり中年になる。
自分の力が段々と弱っていくのに対して、反比例するかのように子どもの力は強くなっていくのよ…そんな話も聞いた。

 

あるお母さんは

「段々私が歳とってきて、これまでのように関わってあげられないことがつらいのよ」
そう話しながら、知的障がいをもった30代くらいの息子さんの腕をつかまえ、引きずられるように散歩していた。

 

自分の老後を心配する間もないくらい、子どものことを心配している人が多い。

でも、自分の子どもだから。

そう思い、できる限りそばにいることを望む人も少なくない。

 

今回の事件。

どんな状況で、どんな心境で、こんなに悲しい結果になってしまったかはわからない。

 

いろんな意見があると思う。

親なら責任もってみろよとか…。
どんなにしんどくても殺しちゃダメだろとか…。
私も介護をやってるけどそんなことにならないよとか…。
誰かにSOSを出せばよかったのにとか…。
そういう人もいるでしょう。

 

でもそんなことを周囲が言えるほど簡単なことではなかったんだろうな。

 

自分の子どもを36年間介護して手をかける…。

それがいろんなことを毎日毎日考え、感じ、耐えた結果だと思うと、言葉を失う。

 

身体的、精神的、経済的。

どれか一つでも負担がかかるとしんどいのに、介護はそれが同時期に全てのしかかることもある。

それがいつまで続くかわからないこわさ。
現在も未来も続く不安。

 

誰か、一人でいいからいなかったのかな…

親戚でも他人でも市の職員でもいい。

お母さんに声をかけ、少しだけラクにしてあげられる人。

娘を殺す以外の選択肢を与えられる人。

一人でいいから近くにいて欲しかった。

 

こんなに悲しいニュースが流れる前に…
この人たちが頼れるような、気持ちがラクになるような 内容がもっとメディアから聞こえてくればいいな。