BLOG ヒラノの考えごと

ケイロウの日。2017/09/18

12・13年前だったか…

ばあちゃんが認知症(アルツハイマー型)になったと連絡が入った。

その頃は香川に住んでいたけど、一緒に住むことにしました。

 

京都の山奥で。

田舎は大好きで 、子どもの頃 夏休みや冬休みに行くのがほんとに楽しみでした。

でもそれはお客さんのように過ごせていたから、ただ楽しむことができたんだ…

と、生活してみて気づきました。

 

トイレはボットン便所
お風呂は薪でたく五右衛門風呂
水道から出る水は山からおりてくる水
家の横に野菜を作っても鹿が食べ
柿がなると熊が食べ
夏はおどろくほど暑く、冬は大雪だった。

 

あの場所は「平成」の中に残る「昭和」。

 

私なんかではすぐにへこたれてしまいそうな環境。

田舎暮らしを甘くみてた…。

 

そんな中でばあちゃんは何十年も

全て家事をこなし、
子供を4人育て、
目が見えなくなってしまったじいちゃんのお世話をし、
祈祷師だったひいばあちゃんの信者さんの対応もしながら、
畑も田んぼも一人でしていた。

なのに朝起きたら手編みの靴下があったりした。

 

嘘だろ ばあちゃん。

どんな時間配分でこなしてたの。

昔のばあちゃんのイメージは

無口で黙々といつも何かしていて、子どもの私には話しかけにくい雰囲気の人だった。

 

でもその理由が…
同じ場所で暮らしてみて少しわかった気がしました。

 

毎日疲れていただろうな…

ゆっくり孫と話したり遊んだりしたかっただろうな…

一緒に住みはじめて、そんなことに気づきはじめると
涙がでるほど尊敬する気持ちがわいた。

だから

認知症の症状も出て、困ったこともいっぱいあったけど 受け止めたいと思った。

 

認知症になった ばあちゃんは

鍋を焦がしたり、
徘徊して畑に転がっていたり、
歩けなくなっておぶって移動したり…

 

しんどいことも山ほどあったけど

よく笑い、よく怒り、かわいかった。

もろもろ含め、その6年間をトータルすると

一緒に住んでよかった。

 

ということです。

昔の人はやっぱりすごい。

 

尊敬するべき偉い人は沢山いるけど、

私の中のダントツ一位はやっぱりばあちゃんかな。

 

少しでも近づけるようにちゃんと生きよー。